トークイベントのレポートが公開されました

4年前になる2022年、京都にあるギャラリー「アトリエみつしま」にて、アーティストの飯山由貴さんと阪本結さんとのトークイベントがありました。「もぞもぞする現場——芸術と障害にかかわる人たちの、ネットワークづくりのためのアセンブリー」と題された対話イベントです。

レポートを書いてくださったのは、ライターの桝郷春美さんで、「「違う関係性が生まれる展示の可能性」というタイトルで構成してくださいました。ぜひご一読ください。

「違う関係性が生まれる展示の可能性」——もぞもぞレポート「アートの現場から」

記事より抜粋

風間さんは、東京大学大学院で刑務所と芸術をテーマにアートマネジメントを研究している方。活動の一つとして、風間さんが関わる社会復帰支援を行う非営利団体での、受刑者による文芸作品の公募展を紹介した。この企画ではプロセスを大事に、塀の内と外の人が交流できる対話の場をつくり、審査員や一般の参加者から作品に対するコメントを集めて応募者に送っているという。モデルはイギリスの慈善団体Koestler Artsによる刑務所アート展。そこでは約2千もの賞を授与し、応募作品の95%に対してフィードバックを返している事例を挙げ、「受刑者の家族や犯罪被害者のグループがキュレーションに関わるなど、プロセスで新たな人の関わりをつくっていて、とにかく対話の場をつくろうとするやり方をしています」と紹介した。

 この事例を受けて飯山さんは、「展示する権力というかパワーバランスのなかに、いかにつくった人や、他の人を入れ込ませるか」という話の流れで、「偉いキュレーターや学芸員にピックアップされてキュレーションされることが評価や実績なのではなくて、その場所で展示をした人、表現をした人の言葉や存在が確かに別の誰かに伝わるとか、作者に関係するコミュニティの人にいま伝わること、そして未来の誰かにも伝えていけるようにすることが重要なのではないか」とコメントした。

 また「刑務所アート」について、「その文言を掲げること自体、僕は少しためらいもあります」と風間さんは言う。理由は「それだけで色眼鏡で見られる」からだ。アメリカでもその議論はあるが、いっぽうで収容されている作家から「自分の作品を説明するには、刑務所という場所の制作環境を説明する以外にできない。『刑務所アート』と打ち出す意味はそこにある」という意見もあるという。そこで「場所性」にも触れて、「美術館という場所に持っていけると、あらゆる文脈を切り離して、あるいはキュレーションの仕方によっては別の見せ方や伝え方も考えられる」と別の可能性を語った。

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