【ミュージアム論】ゲスト講義:「アイヌ民族・文化について知ることが、なぜ「私たち」にとって大切なのか」

第10回目のミュージアム論にて、ゲスト講義を行いました。

国立アイヌ民族博物館の研究学芸部アソシエイトフェローの谷地田未緒さんに「アイヌ民族・文化について知ることが、なぜ「私たち」にとって大切なのか」を題にレクチャーしていただきました。

マイノリティの文化や歴史を扱う博物館の役割と影響はとても大きく、重要であることを改めて認識しました。

学生からもいくつか質問を拾うことができましたが、私からは「アイヌ差別の歴史は展示の中にどの程度あるのか」という質問をしました。確かに差別の苦しい悲しい経験もしてきた(今もしている)ことの展示も含まれているけれど、どちらかというとアイヌ文化の魅力の発信に重きを置いている、それは構想の段階からアイヌの人々の思いとしてあったから、と(いろんな声は寄せられるものの)。

海外の事例では、見ているだけで憧れてしまうほどかっこいいマイノリティのカルチャーシーンの展示空間と、他方で長い歴史の中で過酷な差別を受けてきたことを伝える展示空間とを分けている事例もあるそうで、そういう方法もあり得ると。

※事例:National Museum of African American History & Culture

傷つけられてきた尊厳を回復していくことと、傷つけられてきた(忘れてはならない)歴史と向き合うことの両輪について考える時間となりました。
来年こそはウポポイに。

民族共生象徴空間 ウポポイ
https://ainu-upopoy.jp/

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