2025年3月15日(土)-16日(日)に、青森県八戸市を会場に開催される日本文化政策学会 第18回年次大会にて、企画フォーラム「芸術実践を〈翻訳〉できるのか:『アートベース・リサーチ』を手がかりに」を開催します。風間も所属する「アート/ケア/文化政策」研究会による企画となります。
開催概要
「芸術実践を〈翻訳〉できるのか:『アートベース・リサーチ』を手がかりに」
2025年3月16日(日)13時25分〜15時25分
会場:八戸市美術館ジャイアントルーム
*学会大会の参加については、「日本文化政策学会ホームページ」をご覧ください。
アートベース・リサーチ(Arts-Based Research、ABR)は「研究者自らも参加する芸術活動を通して、研究課題と問題について理解し探求する研究方法」(伊藤 2018)とされます。芸術実践をどのように研究することができるのか、現場で起こるさまざまな物事をどのように記述し、そこに潜在する重要な課題を他者に伝え、共有できるでしょうか。
その大きなヒントになり得ると考えたABRについて、本企画フォーラムでは、『アートベース・リサーチ・ハンドブック』(2024、福村出版)の監訳者の一人である川島裕子氏(関西大学総合情報学部・准教授)をお招きし、ABRの可能性と課題を議論したいと思います。
登壇者プロフィール
ゲスト講師:川島裕子(関西大学総合情報学部准教授)
トロント大学オンタリオ教育研究所博士課程修了(Ph.D.)。専門は、応用演劇・教育メディア研究。北海道教育大学にて「教師に対する演劇的手法によるコミュニケーション教育」プロジェクトに従事したのち、大学での初年次教育や多文化共生教育プログラムの実践研究に取り組む。身体性や実践知に重点をおいた演劇パフォーマンスを切り口に、ジェンダーや人種などの文化的差異の越境体験や、人々の情動的コミュニケーションに着目した、多元的な関係性を創出する学習プログラムのデザインについて研究。現在は、ドキュメンタリー演劇や高校探究における演劇実践にアーティストと連携し取り組んでいる。
参考文献
- 伊藤留美(2018)「アートベース・リサーチの展開と可能性についての一考察」、『南山大学短期大学部紀要』終刊号、203-213.
- 岡原正幸編著(2020)『アート・ライフ・社会学 : エンパワーするアートベース・リサーチ』晃洋書房.
- 笠原広一・リタ・L・アーウィン編著(2022)『アートグラフィー : 芸術家/研究者/教育者として生きる探究の技法』学術研究出版.
- 小松佳代子(2023)『アートベース・リサーチの可能性 制作・研究・教育をつなぐ』勁草書房.
- Leavy. P. (2015). Method Meets Art: Arts-Based Research Practice (2nd ed). New York: The Guilford Press.
- Leavy. P.(Ed.). (2018). Handbook of Arts-Based Research. New York: Guilford Press. (= (2024). 岸貴子・ 川島裕子・荒川歩・三代純平訳『アートベース・リサーチ・ハンドブック』 福村出版.)
- McNiff. S. (1998) Art-based Research. London: Jessica Kingsley.
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