毎週木曜に開講しているコモンズゼミ(風間ゼミ)において、雑誌『IWAKAN』編集部のジェレミーさんとラナさんに来ていただき、ゲスト講義をしていただきました。
ジェンダーや社会問題について、普段はそんなに関心が高くない人でも、思わず手を伸ばしたくなるような、そんなかっこいい雑誌を作りたい、そんな雑誌が書店に並ぶことで書店の景色を変えたいと考え、誕生した雑誌『IWAKAN』。
コンテンツの自由度を確保するために、広告はいれない。そもそも、多くの広告のイメージに対して「違和感」を持ったりするのだから、広告を入れてしまったら広告に対して批判ができなくなってしまう。
しかし、マニアックすぎる内容では売れないし多くの読者には届かない。そのためのバランスやコンテンツの多様性を持たせるために、編集長を置かないコレクティブ体制で、各自の視点からリサーチをして、ディベートをして、雑誌を制作している裏側を伺いました。
学生からも「クィアってそもそも何ですか?」「友人からカミングアウトを受けたことがあります。どのように受け止めて言葉を返すのが適切だったのでしょうか?」「日本だからこそ発信したい情報や、難しさはありますか?」「BL(ボーイズラブ)って、実際のLGBT当事者の方はどう見ていますか?」などなど、多くの質問が飛び交い、充実したディスカッションができました。
『IWAKAN』も各地に呼ばれてトークイベントなどをしている中で、東京よりも地方でのイベントの方が質問者の熱量が違うそうです。ジェンダーについて語る場が少ないから、そういう場を開いた際にくすぶっていた何かが溢れるのではないかとのこと。
著名人の悲しいニュースが飛び込んできた翌日でもありました。地方にこそ、ジェンダーや多様性について語る場がもっとなければ、社会が人々を自死に追いやることが繰り返されてしまいます。
貴重な講演をありがとうございました。
雑誌『IWAKAN』
違和感には答えがない。でも、私が感じている違和感を誰かと話したい。そんな世の中の当たり前に“違和感”を感じるすべての人たちと共に考え、新たな当たり前を共に創造していくインディペンデントマガジン。ジェンダー、セクシュアリティ、男女二元論のイシューを軸に、アートエディトリアルからアカデミックな対話まで幅広く収録。編集部を中心に、クィアやジェンダーの表現・表象のために活動する人々とコンテンツを発信する。「違和感」を切り口に、クィアのカルチャーシーンから自分の物語を取り戻すムーブメントをつくるべく、ユーモラスかつ真剣に向き合っている。2020年10月創刊。
https://iwakan-magazine.com/