ジャーナル『罪と罰』特集「アートと刑事政策」に寄稿しました

一般財団法人日本刑事政策研究会が発行している雑誌『罪と罰』63巻2号(2026)にて、「アートと刑事政策」という特集が組まれました。このなかで風間は「アートプロジェクトとしての「刑務所アート展」」と題した原稿を寄せています。

刑務所アート展をはじめようと思った当初の問題意識から、実際にやってみて気づいたこと、広がりをみせていることなどについて書きました。タイトルにもあるキーワードである「アートプロジェクト」には、次のような定義があります。

現代美術を中心に、おもに1990年代以降日本各地で展開されている共創的芸術活動。作品展示にとどまらず、同時代の社会の中に入り込んで、個別の社会的事象と関わりながら展示される。既存の回路とは異なる接続/接触のきっかけとなることで、新たな芸術的/社会的文脈を創出する活動といえる。

(熊倉純子(2014)『アートプロジェクト 芸術と共創する社会』水曜社)

さらにアートプロジェクトは、「制作のプロセスを重視し、積極的に開示」することや、「さまざまな属性の人びとが関わるコラボレーションと、それを誘発するコミュニケーション」、「芸術以外の社会分野への関心や働きかけ」をもつといった特徴があげられています(熊倉 2014)。

展示の実施そのものを目的とするのではなく、そのプロジェクトの過程をみんなで考えながら進めていくことを大事に活動を始めました。出来事をつくっていくことで、さまざまな人が当事者/非当事者や支援する/されるといった関係性をこえて、関わり合うことができるきっかけが生まれていきます。

「刑務所アート展」は、この社会に当たり前にありながら多くの人にとっては遠い場所と感じられている「刑務所」について、あるいはそこに生きる人々について、「既存の回路とは異なる接続/接触」のきっかけを生み出していると考えています。ここでの既存の回路とはいわば、テレビなどの報道を通して知る回路や、社会復帰支援としての関わりなどが考えられますが、そもそも刑務所へとつながる既存の回路は、非常に少ないともいえます。

アートは刑務所とのあらたな回路をひらくきっかけとなりうるでしょうか。

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