奈良県立大学にて、前期に開講している授業「現代アート論」に、写真家の寺田健人さんをお招きし、ゲスト講義をしていただきました。
寺田さんのジェンダーへの関心と、それをどのように写真として、作品として表現するかについて、これまでの活動をお話しいただきました。寺田さんが影響を受けてきた作品を紹介いただいたことで、ひとつの写真史がひもとかれたようでもありました。学生からも多くの質問や反応があり、とても刺激があったと思います。
というのも、現代アート論では、レポート課題か制作課題かを選べるかたちで課題を出しています。教員としては、なるべく制作にチャレンジしてほしい思いもあり、学生たちにくすぶっている表現欲求を喚起してもらえたように思いました。
ついつい自分を強く見せようとしちゃったり、流行に振り回されたり、社会からの規範に合わせるように生き方を偽ってしまったりするけれど、遠い将来儲からないかもしれないが、なんか続けられていることは、偽りのない本当(の自分)なんじゃないかと語ってもらえたことは、自分も含め多くの学生に刺さったのではないでしょうか。
寺田健人さん
1991年沖縄県生まれ。
社会が作り出した「性」や「生まれ」に関する諸規範によって人々の行動・思考が決定されていく生政治に関心を持ち、ラディカル・フェミニズムが生み出した「個人的なことは政治的なこと」の実践として、主にパフォーマンスと写真を軸にして制作を行なっている。
現在、東京藝術大学 美術学部先端芸術表現科 テクニカル・インストラクター、京都芸術大学通信教育部美術科写真コース 業務担当非常勤講師。
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